「日曜日暇だったら、ちょっとアルバイトしない?人足りなくってさぁ」と言われ、「いいですよ」と言ったのが間違いだった。
「じゃあ日曜日、ジーンズ以外のズボンにスニーカーで、朝5時半までにゴルフ場に来て」
訳もわからず、朝4時50分に出発。
集合場所には100人近いアルバイトの人だかりができていた。
お揃いのTシャツと帽子が配られ、「Tシャツはパンツインしてね」と爽やかに言われ、恥ずかしいながらもパンツイン。
この日、ゴルフ場では年に1度の大きな大会があり、その運営スタッフのアルバイトだったのでした。
『プラカード係』とか『ドリンク係』とか、次々と呼ばれていく人たちを見ながら「陽の当たる場所の係じゃないように」とひたすら願いました。
そう、この日の天気は快晴、気温32度!今年の最高気温だったようです。
そして私に言い渡されたのは『スコア係』
最終ホールの巨大掲示板に、次にプレーする人とスコア、今の順位と成績などのプレートを裏から入れ替えて行く仕事。
巨大掲示板の裏ってことは、陽が当たらない!と思いながら、現場へ向かうと大間違いだった。
巨大掲示板の屋根部分と側面全てには、ボールと風除けの為か、深緑色のゴザのような布がしっかりと張られていて、足場は無風な上にしっかり太陽熱を吸収していて、まるで黒いビニールシートの中にいるよう。
朦朧としながら、パネルの張替えをおこなう。張り替える時に、隙間から一瞬風が入ってくる事が唯一の楽しみだった。
アルバイト用のテントに戻ると、外の部署だった子達はみんな日焼けしていた。それを見たとき、「日に焼けなかっただけマシ」と思うことにしました。
裏側で渡されたパネルを張り替えていただけなので、誰が優勝したのかも全くわからずに帰宅。
裏方の大変さを実感した1日だった。